議事録
2007年06月14日(木)  [議事録]

6月14日、日本共産党市会議員団を代表して浜正幸幹事長が代表質問をしました。
質問を紹介します。

おはようございます。議長の許可をいただきましたので、私は日本共産党市会議員団の代表質問をさせていただきます。しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。

ムダなくし、くらし応援の11ヶ月

長尾市長が再び誕生して11カ月になります。長尾市長は、この間、介護保険の減免拡大、上下水道庁舎の建設中止、旧同和施策の見直し、これま で課題となっていました特殊勤務手当ての見直し、ワタリ制度の廃止など市民の暮らし応援、無駄をなくす、これまでの課題解決に努力されてまいりました。引 き続く長尾市長の市政運営に大いに期待することを述べまして質問に入らせていただきます。

 

 

 

税源移譲・定率減税全廃で増税

最初に税と国保の問題についてです。
6月1日住民税の決定通知書が発送され、「税金が数倍になった」との多くの方が市役所に来られる、あるいは、電話での問い合わせが寄せられました。市役所にこられた方は、4~8の五日間で約1,000人にも上っています。
こうした住民税の増税は、国から地方への税源移譲で所得税から住民税に税金が移されたことに加えて定率減税が全廃されたために起きたものです。
高齢者にとっては、年金控除縮小、老年者控除廃止、老年者非課税措置の廃止による課税強化がされ、経過措置が適用されているために段階的に引きあがってき ています。国民健康保険料、介護保険料に波及し、雪だるまのように負担が増え、段階的な増額が3年間続くのであります。

庶民に増税、大企業に減税をただそう

一方、自民党、公明党政権は、大企業・大資産家には、住民税増税に匹敵する1兆7千億円を減税しています。とんでもない話であります。
わが党は、こうした「庶民に増税、大企業・大金持ちには減税」という逆立ち税制をただすために運動をすすめていますが、同時に、東大阪市として、改悪さ れた国の税制のもとでも、市民の負担を軽減することや、既に行われている負担軽減の制度を市民に周知・徹底すること、市民からの問合せに親身になった相談 体制をとることなどを求めてきました。
これにこたえて長尾市長は、税務など窓口と力をあわせて相談体制の確立に努力を払われてきましたが、先日、ある市民の方が私どものところに、次のように言ってこられました。
「税金が高いので、リージョンセンターに行きました。ところが、その場では、減免が受けられるかどうか分からない、と言われました。ただ、その時に、減 免申請用紙を職員の方が渡してくれていました。そして、次の日に、その職員の方は、わざわざ電話をしてこられて『あなたの場合は減免できますから、ぜひ出 して下さい』と言われました。うれしかったです」 この話を聞いて、私は、職員の努力も含めて、市民のくらしを守ろうという長尾市政の精神がゆき渡ってきているな、と強く感じました。

減免制度の改善でくらしを守って

私は、長尾市長が、こうした姿勢を発展させ、減免制度の改善にさらに努力されるよう要望するものです。例えば、川 崎市で行われている「小額所得者減免制度」の導入です。川崎市では、市民税や府民税の納付が困難な方で、年間収入が一定額以下の方は、市民税や府県民税が 均等割りも含めて非課税となる制度が作られています。減免の基準は、65歳以上で、扶養親族が一人の場合は、公的年金収入額は、271万6,800円、二 人で303万8800円となっています。こうした制度の導入をぜひ検討していただきたいと思います。
そこで、住民税の増税問題に関して、二点お伺いします。
一つは、定率減税廃止・税源移譲に伴う影響はどうなっているかです。
二つは、川崎市などで行っている低所得者や高齢者への軽減を行うよう求めますが、答弁をお願いします。

国庫補助金の削減が国保料値上げの根本原因

次に、国民健康保険と介護介護保険です。
国民健康保険制度は退職者や無職の方など低所得者の方が多く加入されています。そして、事業主負担がないため、国の責任として国保に対する国庫負担が行 われています。ところが、国が1984年に国保への国庫補助率を45%から38.5%に引き下げたため、保険料が大幅に上がる事態を招きました。本市で言 えば、1984年当時、歳入総額の54%だった国庫補助金は、2005年度決算では39%へと大きく下がっています。そして、同じ期間に一人当り保険料 は、年46,260円から、84,891円へと、1.8倍に増えています。
それだけに、国の負担を元に戻すことが、国保料を抑える上で重要だと言えます。全国市長会や全国町村会、国保中央会も、国保の財政基盤を確立するべく抜 本的な財政措置を講ずること、という意見をあげており、東大阪市としてもその努力を払っていただきたいと思います。

低所得者への国保料減免制度の改善を

さらに、東大阪市独自に減免を強めることを求めたいと思います。
一つは、国保料の特別障害者の減免対象を「その他障害」にまで広げることです。
二つ目は、住民税非課税者など低所得者への減免制度を改善することです。例えば、府下各市の減免制度の中には、生活保護水準の1.2倍以下の所得者を減免対象者にするものがあります。こうした制度への改善を要望するものです。
減免制度の改善は、実際に生活に困窮している市民にとっては本当に助かるものです。例えば、長尾市長が始めた要介護認定の方への「障害者控除認定証」は 税金が安くなるのに加えて、介護保険料や介護保険の利用料の軽減につながるもので、年金収入180万円の70歳の単身世帯のモデル計算で、13,000円 だった税金がゼロになる他、介護保険料が7万2900円から、4万3740円に下がります。さらに特別養護老人ホームの準個室に入っておられる方は、月 90,600円から58,800円に下がります。くらしを守るこうした減免制度の改善に努力されるよう訴えるものです。

納付相談強め収納率の向上を

国民健康保険問題の最後に、収納率を向上させる問題について、お伺いします。
収納率の向上の取り組みは、制度を維持する上で非常に重要で、それにふさわしい人員体制をとり、納付相談を強めながら収納率を向上させるよう求めますが、見解をお示し下さい。

子どもの医療費を小学校に入るまで助成を

次に、子どもの医療費助成制度の改善についてです。
子どもが安心してお医者さんにかかれるようにしてほしい、との広範な国民の声と運動によって、すべての都道府県で自治体独自の助成制度がつくられるよう になっています。都道府県のうち通院で「就学前まで」のところは、約半数です。中には、中学校三年まで、というところも出てきています。本市においても、 これまで女性団体や医療関係者の努力で、5歳児までの助成制度に前進していますが、これをさらにすすめ、当面、「小学校に入るまで」の拡充をすみやかに実 施するよう求めます。
この改善は、「小学校に入るまでの助成」が全国的な流れであるとともに、これまでの議会での議論などから言っても急がれます。
例えば、議会です。わが党以外の党からも、小学校に入るまで改善することを求める質問が次々行われ、当局からは「ニーズが高い」「さらなる拡充につとめ る」などの答弁が繰り返し、行われています。また、市会議員選挙時の選挙公報を見ましても「乳幼児医療費助成制度のさらなる拡充」との公約が掲載されてい ます。
こうした状況から言って「小学校に入るまでの医療費助成制度」の速やかな実施は、広範な市民から歓迎をされることは、明らかであります。早急に「小学校に入るまで」拡充する道筋を示していただくよう求めます。ご答弁下さい。

消えた年金に怒りと不安

次に、「消えた年金」問題についてお伺いします。
誰のものかわからなくなっている年金が約6万4千件も存在していることに、国民の怒りが沸騰しています。
こんなことになったのは、1997年、公的年金加入者各自に一つの「基礎年金番号」を割り当て、それ以前には人によって複数持っていた年金番号を統合する仕組みを導入したとき、膨大な年金記録が、氏名と生年月日が一致せず、宙にういてしまったからです。
ところが、政府は、国民に知らせることなく、頬かむりしてきたのです。みんなが怒るのは当然です。
日本共産党は、この問題を解決するために次の提案をしています。
消えた年金の調査対象を氏名、性別、生年月日の3条件に限定しない。部分的一致まで対象を広げ情報を公開する。
国民に立証責任を負わせるやり方は改め、国が責任を持って調査する。何らかの手がかりがあれば支給するという基本姿勢で解決する。
社会保険庁を解体し、民営化するのは最悪の責任逃れです。絶対に許せません。
住所、勤務先を転々とした場合の空白期間、名前の読み違い、入力ミス、結婚で姓が変わるなど一致しないさまざまなケースが考えられますが、責任は国にあります。国民に謝り、解決のために力をつくすべきです。

年金での問い合わせに親身な相談を

そして、今、不安や疑問をかかえる一人一人の市民の思いに応えることが求められています。この点、これまで東大阪 市は、年金事業が社会保険事務所に引上げられるまで、この事業に関わっていました。そこで、東大阪市として、できる限り、市民の不安にこたえる努力をする よう求めるものです。
第一に、過去の資料を破棄した自治体がある、と報道されていますが、本市にあっては、納付状況、入力当時の資料は、どうなっていますか。保管されているのか、それとも破棄されているのか。明らかにして下さい。
第二に、市民の不安に対する親身な相談を行うよう求めますが、答弁下さい。

工場アパートの早期建設を

次に工場アパートについてお伺いします。
本市の中小企業は、海外との競争の激化や後継者がいないなどの問題で廃業に追い込まれたり、工場が市外にどんどん流出するなどものづくりの町の再生が強く求められています。
多数の製造業が密集しており、ものづくりの拠点ともなっている高井田地域は一方で住工が混在が進展してきており、企業が安心して操業できる環境の確保が課題となっており、中小企業支援策として集合工場が検討されてきました。
工場アパート建設計画は、建設予定先であった土地について企業側から「地価の上昇」を理由に、市の想定を大幅に上回る価格提示が行われたことから、用地取得を断念せざる得ない状況となっていました。
わが党は、当初の目的どおり、市内製造業の支援のために工場アパート建設計画を早急に進めていくべきと主張するものですが、建設についての意義と今後どのように考えておられるのかお聞かせください。

小規模な事業所への支援の強化を

次に、小規模事業所の支援についてです。
東大阪の製造業は、1995年から2005年工業統計調査(全数調査)比較では、 事業所数は8,933件から6,455件に27.7%減少しています。これを従業者規模で見ると1~3人は4,813件から2,821件41.4%減少、 4~9人は3,101から2,187件29.5%減少しており、10~19人は960から883件8.0%減少と比較して1~9人規模の従業者規模の小さ い事業所が激減しています。
また、「市内製造業の経営実態に関する調査」(2005年)は従業員10人以下を対象に実施されました。 調査では、2~3年前からみた経営状況について、年間売上高が「減った」が58.9%、「増えた」が23.4%となっています。経常利益については、「悪 化した」が56.0%、「好転した」が13.1%となっています。顧客、取引先については、「減った」が42.6%、「増えた」が19.8%と小規模企業 の経営環境は依然として大変厳しい状況です。
しかし、優れた技術や取引関係を持ちながら後継者がいないなどの悩みや事業の建て直しの相談支援は、本市の経済を発展させていく上でも引き続き課題となっていると考えます。
東大阪のものづくりを支えてきた小規模な事業所が持っている熟練技能などの経営資源に対して市としての支援策が必要と考えますがどうでしょうか。

医師・看護師不足の根本は国の医療費抑制策

次に、医師、看護師不足についてです。
政府の医療費抑制方針で、「医師は過剰になる」と医学部定員を削減してきたため、違法な名義貸し問題の発覚などで、医師不足問題が社会問題化しました。  2002年から3年間でお産のできる病院や診療所は5000から3000ヵ所に、産婦人科医の数は3/4に減少し、首都圏でも「出産難民」や、小児科・ 内科・外科・脳外科など救急疾患を扱う現場の医師不足が顕著になっています。
大阪府医師会の49病院でのアンケート調査では、病院勤務医の1週間あたりの平均超過勤務時間は16.8時間、20時間以上の超過勤務は29.3%で過 労死認定基準を超え、医師の仕事は「うまくいってあたり前、何かあったら医療事故」と責任を問われ、帰宅後も担当の患者の問合せ、夜間救急の緊急手術の対 応など強いストレスで四六時中拘束され、一人の医師が辞めると悪循環で次々辞めていくドミノ現象がおきています。新しい研修医制度の導入で都会の大学病院 や有名病院に研修医が流出し、派遣医師の大学病院引き上げで地方病院の勤務環境が急速に悪化しています。 国の医療費抑制に大きな責任があり、抜本的に改 善すべきです。

労働条件の整備で医師確保を

同時に、自治体として医師確保の努力を強めることは責務です。
医師が健康や生活に不安なく働き続けられる労働条件の整備は、医療保障の根幹に関わる課題であり、今日、女性医師が増加し、子育てと両立ができる条件整 備は不可欠です。日本医療連の医師へのアンケートで「母親をしながらの勤務にもう少し理解が欲しい。院内保育、病児保育がないと、近くに祖父母がいない場 合欠勤せざるをえない。休みもとれず、毎日悩みながら仕事もしている」(30代女性)など女性医師の悩みにこたえていくことが必要です。

夜勤月10回―看護師の労働条件改善を

本市総合病院の看護師は新年度には、定数の確保ができているが、産休や育児休業などで慢性的な不足となり、看護師の夜勤回数が月に10回にも及び、看護師の過酷な労働実態の解決は重要な問題となっています。
日本医労連の看護師へのアンケートでは「安心で安全な入院生活を送って欲しいのに、現状では全くできません。看護師のいない新生児室で、泣いている赤 ちゃんの声でお母さんが心を痛めて眠れなくても、抱いてあげる余裕もない」などよい看護をしたい願いとできない現実への苦悩は、総合病院に働く看護師も同 じ思いではないでしょうか。看護師不足を解消し、患者の安全と生き甲斐もって働ける職場をつくることが必要です。
例えば、看護師職員定数に産休や育児休業中の看護師を省く、また院内保育所の確保など女性が多い職場の対策を行うべきです。以下いくつか質問いたします。
医師・看護師の不足問題を解消する努力はどうのように考えているのか。
女性医師・女性が圧倒的に多い看護師が子どもを産み育てることができる働く条件を抜本的に改善するために、総合病院内での保育所の開設することなどを提案しますが、見解をお聞かせ下さい。

図書館サービスの改善を

次に図書館サービスについてです。
本市の図書館サービスは、(2006年)では、大阪府下32市中で(大阪市を除く)、一人当たりの蔵書数は1.33冊、30位(平均2.82冊)、年間 貸出数は3.27冊、29位(平均5.89冊)図書費125円(平均212円)と非常に低い状況にあります。 他の自治体より優れているのは移動図書館で積載冊数、駐車場数と貸出冊数は第一位です。移動図書館が、図書館数や蔵書数が少ないことを補いきれるものでは ありませんが、拠点が遠いところに住む市民と図書館サービスとの書店が維持され、市民の市立図書館離れをある程度防いでいます。
より多くの市民が図書館を利用できる図書館システムの拡充、高齢者や障害者などを含めた全ての市民に図書館サービスを提供するためには、移動図書館の役割は重要です。
図書館法では「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般市民の利用に供し、その教養、調査研究、レクレーション等に資することを目的とする」ものです。
日本図書館協会の「図書館のめざすもの」では「図書館は、市民が地方自治を進める上に必要な判断ができるように、さまざまな情報を市民に提供し、それによって民主主義を機能させる機関」と民主主義の実現に不可欠なものと位置づけています。
広範囲の市民はもとより子ども、高齢者、障害者などあらゆる層に対する図書サービスの提供が求められています。
八尾市では図書館利用の障害を取り除くため目の不自由な人には対面朗読を行ったり、CDの郵送貸出、本の宅配サービスも始めています。

永和図書館の早期建替えを

永和図書館について市民からは、「子育て中、移動図書館を利用していて、花園図書館ができて豊かになった。永和も同様の施設を希望します」
また、「暗い図書館では貴重な資料が利用されず、大変もったいない。こういうところにこそ税金を使うべき」など期待の声が寄せられています。
永和図書館の老朽化の状況を考えると、早急な移転が求められますがどのようにお考えでしょうか。
高齢者、障害者など全て市民に図書館サービスを提供するために、図書館システムの拡充、府立図書館、大学図書館、小中学校図書館、近隣図書館との連携や リージョンセンターなどの施設を活用して開架閲覧、貸出、予約など多くの市民が利用できる市域全体を視野に入れた図書館構想を持つべきですがどのようにお 考えでしょうか。

コミュニティバス実施自治体で高い評価

次にコミュニティバスについてお伺いします。
コミュニティバスを求める声と要望は非常に強いものがあり、わが党は全国での実施状況も紹介しながら、繰り返し、その実現を求めてきました。他の会派の 方々からも「市民に身近な移動手段の確保は、高齢化社会における福祉サービスという観点のみならず、交通の安全性の向上や商業の活性化、地域を自由に動き 回ることで市民が地元への愛着を高め、さらには地域コミュニティーの醸成などといったさまざまな効果も期待できる」とか、“本市の交通アクセスの不便な地域から総合庁舎へ向けての巡回バスの運行計画は考えられないのか。”など、貴重な意見と具体的な意見が述べられています。
近畿運輸局が開いたコミュティバスのシンポジュームでは、導入した自治体から「病院等には家族の送迎が必要だったが、『循環バスができて一人でもお医者 さんや病院、ショッピングに行けます』と喜びの声が入っております」とか「循環バス運行後の交通行動の変化を見ると、市内の公共施設をよく利用するように なったとか、積極的に外出するようになったとか、市内の商店に買い物に行きやすくなった」など、高い評価の声が出ています。ぜひ本市でも「実施を」と主張 するものです。

計画している各種調査の確実な実施を

本市では、第三次実施計画で「他市事例等について調査・研究を実施する」とされています。そして、先日の行財政改 革に関する特別委員会に提出された資料では、「既存バス路線における利用状況等調べ」「高齢者・障害者の方の公共交通機関に対する期待度調べ」「運行経路 及び料金等による市内関連企業及び地域活性化への影響調べ」を行うとしています。
そこで、私は、この調査と研究を確実に、そして、速やかに実施するとともに、庁内に関係部局を入れたプロジェクトチームを立ち上げることを要望したいと思います。

プロジェクトチームで調査・研究を

実際、市が調査しようとしている市内関連企業や活性化への影響については、経済部との密接な連絡をとりながら推進 する必要がありますし、「高齢者・障害者の方々への交通サービスの提供」を考えたときには、福祉部との連携が必要になってきます。また、今後の、コミバス の運行を計画する際、リージョンセンターや行政サービスセンターなど公共施設でのサービス向上と結びつけたものにすることも考えられますが、そうした場合 には、経営企画部だけでなく市民生活局との連携が必要になってきます。この他、財政問題もあり、ぜひ、横断的な庁内での検討体制を確立するよう求めます が、見解をお聞かせ下さい。

旧同和施策の見直しの推進を

次に、旧同和施策の見直しについて質問します。
まず、呼称問題についてです。
5月7日、大阪府市長会は、「同和地区」を事実上復活させることを盛り込んだ「研究会」報告を承認する予定でしたが、異論が出たため、保留になるという結果になりました。
保留になった報告書案は、国の同和対策特別法が2002年3月末で終了し、同和事業の対象地域として法的に指定されていた「同和地区」はなくなっているの に、「同和地区はなくなっていない」として、特別対策の対象地域を引き続き「同和地区」と呼び、同和行政を続けることを打ち出した時代錯誤のとんでもない ものでした。

同和行政永続化狙う「解同」の策動許さない

これは、同和対策法が終了した後の同和行政終結の流れに危機感をいだいた「部落解放同盟」が、見直しにストップをかけるため、大阪府などに圧力をかけて決めさせようとしたものです。
実際、「解同」は昨年5月に市長会に「要望書」を提出しましたが、そこでは「法律がなくなったのに同和行政が継続されているのはおかしい」という府民の批 判が強いことや、府下の議会で「同和地区はなくなった」という答弁を行政がおこなったことなどに強い危機感を表明しています。この「解同」の策動に従った 決定を行うべきではありません。先の、市長会では保留になったものの、今後も俎上に上ると見られます。東大阪市は、同和行政の永続化を狙う「解同」の巻き 返しを許さない姿勢を毅然と貫くよう求めるものです。答弁下さい。

旧同和向け市営住宅は公開抽選に

旧同和施策の見直しの2つ目は、旧同和向け市営住宅の入居選考を完全な「公開抽選」にする問題です。
一般市営住宅の18年度の申し込み抽選状況は、募集戸数18戸に対して申し込みが513件と競争率は28.5倍という高い競争率になっています。
一方旧同和向住宅は、地区の入居委員会での選考となっており、抽選による入居とはなっていません。
市営北蛇草・荒本の改良住宅の入居・退去状況みると、この数年間に退去が毎年増えて、これに従って現在空き家が二百数十軒となっています。
順次、改修をすすめ住宅困窮者に対する空き家募集を行い、一般の市営住宅同様に公募・抽選による入居を行うべきですがどのようにお考えですか。
市営住宅、改良住宅の付属設備のメンテナンス、維持修繕及び住宅少量の収納業務など住宅管理業務が株式会社東大阪住宅公社に委託されています。
市営住宅管理業務の委託料は4,661万円(1,337戸)1戸あたり34,860円、市営北蛇草・荒本住宅の委託料は1億9,537万円(2,286 戸)1戸あたり85,463円と約2.5倍の格差があります。管理業務の内容を明らかにし、適正な価格に見直す必要があると考えますがどうでしょうか。

職員配置の適正化を

見直しの最後に、職員配置の問題です。
わが党は、旧同和関係施設で分かっているだけでも437人にも上る職員の配置を適正なものに改めるよう求めてきました。その後、4月に人事異動が行われ ましたが、どこまで適正化が進んだのか、報告するとともに、さらなる見直しを行うべきだと考えます。数字を挙げての具体的な答弁をお願いします。

対行政不当要求排除の体制を

最後に、対行政暴力への対応についてお伺いします。
この間、わが党は、一貫して対行政不当要求には毅然と対応する体制を確立するよう要求してきました。市が不当な要求に屈服しないで、公正で清潔な市政運営を行うことは、地方自治体にとって何よりも重要だからです。
同時に、そうした毅然とした対応を行うためにも、市長はもちろんのこと、市幹部、職員全ての職員を、不当な暴力や圧力から守る体制をつくることが重要です。長崎市長の銃撃事件を契機に、改めてその必要性を強調するものです。
この問題では、市はこれまで「職員個々が服務規律の遵守、法令遵守を実施することはもとより、こうした不当要求等に対する情報の共有化を図り、組織とし て対応できる体制を構築するとともに、職員の適切な職務執行を確保するために制度化に向け検討してまいります。」と答弁してきましたが、長崎事件などを見 たとき、それをもう一歩進めるべきだと考えます。
この点、市職員労働組合は、長崎市長銃撃事件を「卑劣な暴力をもって政治活動を圧殺する行為は民主主義の根幹を揺るがす暴挙」と厳しく批判した上で、 「全ての職員が安心して業務を遂行することができるよう必要な対策を講じること」や「市長はじめ市当局、議会関係者などの身の安全を確保するとともに、日 常的な危機管理体制を整えること」を申し入れていますが、この要望に真正面からこたえるべきだと考えますが、見解をお示し下さい。

 


—–質問に対する回答 —–

(問) 同和地区の呼称問題について
(答) 同和地区の呼称問題について、ご答弁申し上げます。同和地区の呼称につきましては、平成14年3月末の地対財特法の失効に伴い、同和地区、同和地 区出身者に対象を限定した特別措置としての同和対策事業の前提となる、いわゆる「地区指定」はなくなり、本市におきましても特別対策事業の廃止・見直しを 実施してまりました。  今後とも同和問題の解決、差別のない社会づくりを進める観点から、効率的・効果的、行財政運営の視点のもと引き続き見直し点検作 業を行ってまいりたいと考えております。今般、市長会・町村長会による「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」の報告につきましては、今後、議論 の推移を注視してまいりたいと考えております。

(問) コミュニティバスについて
(答) コミュニティバスにかかるご質問についてご答弁申し上げます。  現在、府下各市への調査に対する回答の集約及び分析をすすめているところでござ います。   ご指摘の点につきましては、本市におけるコミュニティバスの導入目的などを明確にするさいに必要なひとつの要素であると考えております。   合せまして、バス運行にかかる費用対効果や他市の現状なども参考にしながら、総合的な分析・研究を行い、本市にふさわしいコミュニティバスの調査・研究 を引き続き進めてまいりたいと存じます。

(問) 旧同和政策の見直しについて
(答) 旧同和施設における人員配置につきましては、今年度の定期人事異動におきましても削減しており、昨年度4月定期異動後と比較しまして、23名の削 減を行ったところであります。今後も、事業内容の見直し及び事業運営の効率化との整合性を図りながら、適正配置について検討してまいりたいと考えておりま す。

(問) 対行政暴力について
(答) 行政対象暴力に関しましては、大阪府警、財団法人大阪府暴力追放推進センター等関係機関の協力を得て、不当要求への対応につき、研修を実施してい るところであります。また、職員個々が服務規律の遵守、法令遵守を実践することはもとより、こうした不当要求等に対する情報の共有化を図り、組織として対 応できる体制として、現在市内の三警察署との行政対象暴力対策連絡協議会の設置に向け、取り組んでいるところでございます。

(問) ①税源移譲・定率減税の廃止に伴う市民税の影響額はどうか
②低所得者、高齢者に対する軽減策は
(答) 平成19年度税制改正による影響額でございますが、税源移譲により約30億円、定率減税の廃止により約10億円、合計約40億円の増加を見込んで おります。次に、低所得者、高齢者に対する軽減策でございますが、地方税法の経過措置により減額されていること、また、災害・死亡・退職等の減免制度がす でに条例化されていますことから、既存の制度を活用していただいているところでございます。

(問) ①国保収納体制の強化について
②市民税非課税者の減免について
(答) 国民健康保険料の収納率向上につきましては、再任用職員や委託職員も活用しながら対応しているところでありますが、経済状況や高齢化等の影響もあ り、財政再建に向けた収納率の確保は、困難な状況が見込まれます。収納率向上には、組織の見直しを含めた体制の強化が必要であると考えておりますので、関 係部局に対して強く要望して参りたいと考えております。次に、市民税非課税者に対する減免適用につきましては、今日的な状況もあり、厳しい状況はあります が、適正な負担のあり方を考慮して、全体的な減免制度の見直しの中で検討して参りたいと考えております。

(問) こどもの医療費助成について
(答) 乳幼児の医療費補助制度は、少子化対策の柱として確立され、平成20年4月から患者負担が就学前まで3割から2割負担に軽減されますことから、乳 幼児医療費助成事業は、概算で1億円の軽減となり、拡充する契機であると考えております。しかしながら通院の就学前まで拡充するとすれば、なお1億円4千 万のさらなる財源が必要となります。財政的には、非常に厳しい状況ではありますが、市民の要望も強く今後、早期に実施できるように努力してまいりたいとか んがえております。

(問) 国民年金保険料納付状況資料の保管状況と市民対応について
(答) ご質問の国民年金の納付状況に係る資料につきましては、国民年金法が昭和36年に施行されて以来、本市が電算化を開始した平成3年頃まで、紙の台 帳で記録されておりました。平成14年に保険料の収納業務が、市から国(社会保険庁)に移管されたことに伴い、市町村保管の被保険者名簿、本市では紙台帳 でございますが、破棄して良いとされ、現実に破棄した市町村があると仄聞しております。本市ではこれを破棄せず、現在、東大阪市に在住されている約15万 人の方の台帳を保管しております。次に市民対応でございますが、国民年金に係る納付状況の問い合わせは、昨今の年金問題が浮上する以前から相談を受け、紙 台帳を活用し、対応を図っておりますが、マスコミ報道の後、電話での問い合わせ等が若干増加傾向にはあります。今後とも、社会保険事務所や台帳での確認を 行いながら、より正確な情報提供に努めたいと考えております。

(問) ①小規模企業支援について
②集合工場について
(答) 経済部所管にかかるご質問にご答弁申し上げます。第1点目の小規模企業支援についてでございますが、小規模企業が現在抱えている課題、すなわち生 産の高付加価値化への対応の遅れや操業継続が困難な企業の円滑な市場退出、優れた経営資源を持ちながら後継者難から廃業などに追い込まれる企業の承継は、 今後の本市産業振興上の喫緊かつ重要な課題であると考えております。その意味から、現在、こうした課題に対応した政策のあり方、支援事業について本市中小 企業振興対策協議会において、検討していただいているところであります。第2点目の集合工場についてでございますが、経済部が昨年度に実施をいたしました アンケート調査によりますと、現在の工場の狭さに不満を持っている企業が非常に多いことが明らかになりました。この結果は、製造業の生産の高度化を背景 に、施設整備率が大型化してきているなかで、こうした企業のニーズに対応した工場が供給されていないことを示すものと考えております。その意味から、本市 が建設することを検討しております集合工場につきましては、総業環境の確保の面だけではなく、大田区と比較して、生産の高付加価値化に対応できるより高価 格で床面積が広い集合工場を想定致しております。

(問) 医師、看護婦の不足について
(答) 総合病院に係りますご質問にお答え致します。今日の医師や看護婦の不足問題は、ご指摘のとおり全国的な課題となっております。医師の確保対策につ いて、全国自治体病院協議会、大阪府公立病院協議会等を通じて国・府へ要望するとともに、各大学医局に対しても医師の派遣について強くお願いしているとこ ろであります。また、医師の処遇改善として、実態に即した手当額の検討と見直しを図り、さらに、臨床研修医制度による研修医の育成に努めることにより、こ れら研修医が勤務先として当院を選択するような病院作りが大切であると考えております。次に看護婦確保につきましては、府下での統一試験に加え、年度途中 の退職に対応できるよう、随時の採用試験を実施しているところですが、産休や育児休業等による休職者もあることから、夜勤回数は増えてきており、このため 現行の勤務体制についての検討も進めていくとともに、定数との関連を踏まえながら関係部局と協議を進めてまいります。また、女性医師、看護職員等の子育て 支援や、就労支援のため、院内保育所についても検討してまいりたいと考えております。

(問) ①北蛇草・荒本住宅の一般公募の選考方法について
②東大阪住宅公社に係る北蛇草・荒本住宅の管理委託業務の精査と経費の削減について
(答) 建築部に係わりますご質問についてご答弁申し上げます。旧地域改善向け公益・改良住宅の一般公募につきましては、平成18年2月に7戸、平成18 年10月に9戸、平成19年3月に10戸を、いすれも住宅困窮度評定による選考方法にて、実施して参りました。なお、公開抽選による選考方法につきまして も、現在、具体化に向け引き続き精査しているところであります。また、東大阪住宅公社に係る管理委託の主な業務内容は、住宅の維持管理、保守点検業務等で ありますが、これらの業務内容をより一掃精査し、業務に係る委託料につきまして、経費の縮減に努めてまいります。

(問) 永和図書館の整備と、今後の市立図書館サービスについて
(答) 老朽化している永和図書館の整備に関しては、第三次実施計画にて永和図書館の整備が位置付けられ、どのように整備を進めるのかの検討を行っていま す。また、外部委員による図書館諮問機関である東大阪市図書館協議会にて、これからの東大阪市立図書館のあり方も検討しているところです。これらと連携を 保ちながら検討を進め、図書館整備の方向をお示ししたいと考えております。