議事録
2007年12月12日(水)  [議事録]

東大阪市議会が十二日開かれ、秋月秀夫議員が日本共産党を代表して質問しました。質問全文と答弁を掲載します(再質問と答弁は省略)。

議長の許可を得ましたので、私は日本共産党東大阪市会議員団を代表して質問をさせて頂きます。

良識とくらし守っての願いの強さ示した選挙結果
今議会は、任期満了に伴う市会議員選挙、そして、市長不信任決議による市長失職を受けての市長選挙という二つの選挙の後、初めて行われるものであります。
そこで最初に、この二つの選挙の結果と、その持つ意味を見ておきたいと思います。

共産党 4議席から9議席へ

一連の選挙の最大の争点は、議会による横暴ともいえる不信任の是非でしたが、市会議員選挙では、日本共産党が改選時の4議席から9議席へと前 進する一方、自民党、公明党が議席と得票を減らす結果となりました。ある新聞は「決議に反対した共産党が得票を前回より約1万票伸ばしたのに対し、決議を 主導した自民、公明が落ち込んだ」と書きましたが、それ以上に注目されるのは、「不信任に反対」したほとんどの議員が票を伸ばし、しかも、良い成績で当選 したことです。ここには東大阪市民の見識の高さが鮮明に示されているではありませんか。
また、市長選挙も基本は同じです。
基礎票では長尾陣営4万票、野田陣営10万票という力関係にも関わらず、長尾さん7万454票、野田市長7万2,820票という大接戦でした。しかも、長 尾さんは前回より1万8,000票も伸ばしています。この結果をある新聞は「得票差はわずか2,366票。得票率の差では1・5ポイントに満たなかった。 これでは議会の不信任を有権者が理解したとは言えない」と報道しました。
こうして東大阪市民は、二つの選挙で道理なき不信任は許さないという良識を発揮したのであります。

ムダづかいやめくらし守って

同時に、私どもは、選挙期間中「ムダづかいや同和の利権・特権はなくして欲しい」「くらしを守って欲しい」という訴えを行いましたが、これには共感の声が多く寄せられました。私は、こうした市民の思いが今回の選挙結果を生み出す背景にあったと確信するものであります。
従って、市長が所信表明で「市政の停滞か前進かを問う今般の出直し選挙」とか「市政の停滞から活力ある東大阪の再生を選択」云々は、事実誤認です。それは先ほど紹介したマスコミの報道を見ても明らかであります。
それだけにわが党は、今度の選挙が示した有権者の思い、すなわち、「議会と市長のチェックアンドバランス」という地方自治法が期待している関係に改善す るとともに、住民福祉の増進という地方自治体本来の役割を発揮する市政にするよう主張するものであります。わが党は、その実現に奮闘する決意を表明し、以 下、この立場から質問します。

くらしと営業を守る施策を

第一に、くらしと営業を守る市政にすることです。
まず、子どもの医療費の助成であります。
子どもの医療費を助成する制度は、安心して産み、育てられる施策の充実をという強い要望を受けて順次改善されてきました。全国的には「小学校に入るま で」というところが増えて来ているだけでなく、「小学校を卒業するまで」、さらに「中学校を卒業するまで」という自治体も生まれています。

小学校に入るまで助成する条例提出を

それだけに、本市の制度を少なくとも「小学校に入るまで助成する制度」に早急に改善するよう強く主張するものです。
この点、長尾前市長は、「第三次実施計画」で「乳幼児医療費助成制度について」「平成20年度より、通院を、6歳就学前までに拡充」することを明記しています。
ところが野田市長は、来年4月からの改善の場合に必要な「乳幼児医療費助成制度を改善する条例案」を今議会に提出していません。これでは、せっかく長尾 市長が引いた“来年4月から小学校に入るまで助成する”という路線が、ストップさせられることになりかねません。絶対に許せません。「来年4月から改善」 する、そのための条例改正案を今からでも提出するよう主張するものですが、明確なる答弁を求めます。
なお、わが党は公約を実現する立場から、先日、市長に「4月から小学校まで助成する制度への改善」を申し入れました。しかし、一向に動きが見えないの で、12月議会に「条例改正案」を提出することにしました。同時に、議会の各会派にも「共同提案を」と申し入れました。市長が、あくまで4月からの実施を 拒否し、今議会に条例改正案を提出しない、との態度をとりつづけるなら、ぜひ多くの会派の共同提案で条例改正が行えるよう呼び掛けるものであります。

無料化の公約の実現を

乳幼児医療費問題の最後に、市長が選挙中「無料」と公約していた点についてお聞きします。
大阪府が一回500円の窓口負担をとるようにしたことに、市民から強い批判の声があがってきただけに、「無料」にすることは大変良いことであります。ぜひ、実行するよう求めますが、答弁ください。

子宮ガン検診の毎年実施を

次に、子宮ガン検診についてお伺いします。
子宮ガン検診は、2005年4月に、それまで「毎年行われていた」ものを、当時の松見市長が「二年に一回」の制度に改悪をしました。
長尾前市長は、「毎年実施」を公約にかかげていましたが、その公約の実現に向け、受診率を引き上げるため、受診機会を増やす制度改正を今年度行ないまし た。それが大きな効果をあげたことは、改正前の制度では受診できなかった人が、今年4月から9月の間で、2756人も受診していることからも明らかであり ます。
私は、受診率を引き上げる制度改正に続き、さらに、次のステップである「毎年実施」に踏み切ることが大事だと考えます。この点、野田市長は、選挙の間、 「子宮ガン検診を毎年実施します」と各地で演説しています。この公約を守って早急なる改善を要求するものであります。答弁ください。

妊産婦健康診査の回数増を

次に、妊産婦検診についてお聞きします。
妊産婦健康診査は、回数が多く費用が高額なことなどから、公費負担の拡大を求める声が大きくなっています。これに政府も今年の1月に「妊産婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について」との通知を出し、「積極的な取り組み」を求めました。
東大阪市でも「年1回は少なすぎる」との声が寄せられており、早急なる改善を主張するものですが、答弁を求めます。

 

市民税・国保・介護の負担軽減を

次に、市民税、国保料、介護保険料における負担軽減について伺います。
市民税軽減措置の継続を

①市民税は定率減税の廃止と所得税からの税源移譲によって数倍になった人もあり、増税感はすごいものがあります。さらに、65歳以上に適用されてい た「所得125万円以下の低所得者への非課税措置」が廃止となり、高齢者には大きな負担が押しつけられました。政府は「年金生活者に重税を押しつけるな」 と言う国民の批判をさけるために激変緩和措置を2年間とりました。本市も、従来の減免制度を廃止した上で2年間の経過措置をとりましたが、来年度からは無 くそうとしています。まったく許せません。高齢者に対する減免制度など、軽減策の継続実施を求めますが、お答え下さい。

国保減免に「その他障害」「難病患者」も

②国保料の軽減は多くの市民から「高い、何とかしてほしい」と切望されているものです。平均保険料を下げる努力を行うとともに、減免制度を改善 するよう求めるものです。とりわけ、障害者は障害者自立支援法によって負担が急増しています。障害者に対する減免制度については市民税と同じように「その 他障害」にも適用されるよう、また、健康な人と同じように就労できない「難病患者」についても同様に拡充すべきですが、どのように考えているのかお答え下 さい。

介護保険料減免基準の引き上げを

③介護保険料は国負担25%、65歳以上の加入者負担19%という介護保険制度の大枠の中で、3年ごとの見直しのたびに値上げされています。  長尾前市長は昨年、減免制度の所得基準を引き上げました。大変喜ばれています。さらに、10万でも20万でも所得基準の引き上げが求められますが、どのよ うに考えているのかお聞かせ下さい。

最悪の後期高齢者医療制度

次に、後期高齢者医療制度について質問します。
この制度は75歳以上のお年寄りから医療を受ける権利を奪い、若年層と高齢者に分断を持ち込み、年金から高い保険料を徴収するなど、最悪の保険制度で す。「まるで姥捨て山」との批判が噴出し、制度そのものへの批判が集中しています。さらに、70~74才のお年寄りには病院窓口負担を1割から2割に引き 上げるという大改悪です。政府は国民や医療関係者の批判を受けて「2割負担の1年延期」「健保からの後期高齢者への保険料天引きの半年延期」などの応急措 置をしましたが、後期高齢者医療制度そのものが問題です。そこで質問します。

後期高齢者医療制度の中止求めよ

①市長は所信表明で「国や府に対して率直に問題提起を行う」とされています。実施の中止と制度そのものの見直しを国に対して強く求めるべきだがどのような行動をおこすのか教えて下さい。
②仮に実施された場合、保険料負担を軽減するために市として独自の減免策が求められます。「法的には、都道府県や市町村の補助金等による減免は可能」と厚 生労働省の担当官が説明しています。市として、現行の老年者への国保料減免のように所得割4割減免の制度を創設すべきです。また、保険料を1年以上滞納し た場合「保険証を取り上げる」と言っていますが、取り上げるための対象者リストを作ったりする作業をするのは市です。市長の責任です。減免制度も作らず、 滞納すればお年寄りから保険証を取り上げるということは許されないことです。対応策をお示し下さい。

コミュニティバスの実現を

次に、コミュニティバスについて質問します。
日本共産党は、市民やお年寄りの交通手段を確保するためのコミュバスの運行を強く主張してきました。そして、長尾前市長も、今年8月に行われた若江岩田 「くすのきプラザ」でのタウンミーティングで参加者からの質問に答えて「早期に何らかの形で運行したい」とのべるところまで来ていました。展望が開かれる ところまできていたのです。
私は、こうした状況を生み出したのは、やはり、市民の強い要求だと思います。それは、この間、議会でわが党がくり返し要求しただけでなく、他の党の議員 もその実現を要求していた所にも見られます。例えば、次のような発言が2004年6月14日の本会議で行われています。
「武蔵野市のムーバス、大阪市の赤バスといったいわゆるコミュニティーバス、その他フレックスバスなどの地域公共交通システムは、こうした課題を解決す る手段として検討され、取り組まれているのであります。市民に身近な移動手段の確保は、高齢化社会における福祉サービスという観点のみならず、交通の安全 性の向上や商業の活性化、地域を自由に動き回ることで市民が地元への愛着を高め、さらには地域コミュニティーの醸成などといったさまざまな効果も期待でき ます。」
こう述べて、コミュニティーバスの実現を求めていますが、この発言者は、野田市長であります。
この議会発言に責任を持ってコミュニティバスを走らせるべきだと考えますが、明確な答弁を求めます。

訪問相談事業など中小企業支援を

次に、中小企業対策についてです。
政府は、大企業を中心に景気は拡大傾向にあるとしています。しかし、本市の製造業、小売業とも中小零細企業の経営は厳しさを増すばかりです。
こうした事態を打開するため、長尾市政下で、製造業に対する支援として、「(仮称)モノづくり支援新戦略」の策定に取り組んできていました。
その内容は、高付加価値化に向けた技術支援の強化、モノづくり人材の育成・確保と事業継承の促進、操業環境の維持・確保、国内市場への販路開拓支援の充実 をはかることなどと聞いております。そして具体策として、①集合工場の建設②産業技術支援センターの機能強化③訪問相談支援事業が準備されていたと聞いて います。私は、この3点を具体化すべきだと考えますが、答弁下さい。

教育条件整備と教員の多忙化解消などが必要

次に、教育について質問します。
今、学力問題やいじめの問題、貧困と格差の広がりがもたらす教育現場への影響など、子供と教育をめぐる困難の打開が痛切に求められています。
ところが、政府はこのような深刻な現状があたかも戦後の平和と民主的教育を支えてきた「教育基本法」にあるかのごとく描き、教育の深刻な現状には目を向 けずに教育基本法の改悪を強行しました。そして、4月には学校の序列化につながる「全国一斉学力テスト」を強行しました。私は、今、教育行政に求められて いるのは、こうした競争と管理・統制ではなく、現場が抱えている困難に目を向けるとともに、少人数学級の実施、競争教育の是正、教員の多忙化の解消などだ と考えます。

競争と管理・統制の教育はやめよ

ところが、市長は所信表明で「学校を変える」などと述べ、その考え方は、競争と管理・統制の政府の教育方針そのものです。例えば、市長は、 2002年第三回定例議会で「教育基本法は余りいい法律だとは思わない…個人の尊厳が延々と書かれている」「統一試験の実施についてはどのようにしようと しているのか」「子どもと保護者が自由に学校を選択することができるようにするべきであります。」などと発言しています。しかし「いっせいテスト」とその 公表をおこなったところで、「テスト対策のため文化祭や林間学校を縮小・廃止した」「できない子どもを休ませた」「先生が答案を書き換えた」など深刻な問 題がおきていたことが明らかになっています。それだけに、学校のランキング化や、子どもと教員を不毛な形で競い合わせて地域の教育力を弱める「学区の自由 化」を一方的に行わないという態度が大事だと考えますが、市長の見解を求めます。
また、少人数学級など、教育行政の本来の役割である教育条件の整備という役割を果たすよう求めますが、答弁下さい。

ムダづかいやめよ

第2に、ムダづかいをなくす課題で、一点お聞きします。
上下水道庁舎の建設問題です。

上下水道庁舎建設は復活すべきでない

市長は、10月9日に立候補を表明する記者会見をしましたが、その時に市長は「活力ある東大阪の再生」という公約集を配布しています。そこには「上下水道庁舎の建設」が明記されています。とんでもない話で、絶対に復活させるべきではありません。
元々、上下水道庁舎を建設するという方針は、17年の年末、突然に持ち出され、18年1月に基本構想が示されるという、まったく短期間の内に作られたも のです。これには、「まだ使える。もったいない。水道庁舎を取り壊し、24億円もの費用をかけて新築するというのは問題だ」「ムダ遣いだ」との強い批判が 出ました。松見元市長が作った計画の見直しをかかげて当選した前長尾市長は、公約に従い市民の意見を聞いた上で、「庁舎建設は中止する」「水道庁舎の職員 は、本庁の空きスペースに入る」「防災機能を持った『倉庫棟』を環境衛生検査センター西側の市有地につくる」ことなどを柱にした見直し方針を2006年 11月に決めました。当局は、この間、本庁レイアウトなど、具体化の作業をすすめてきていました。ところが、野田市長は、上下水道庁舎を建設する、といっ て、この間すすめてきた「見直し」作業を中止させました。とんでもない話であります。長尾前市長が打ち出した「見直し」方針は、無駄な建物を作らない点で も、職員の効率的で適正な配置をすすめる上でも、防災の上でも、最善のものであります。この見直しを実行することが市民の利益にもなるし、期待にこたえる 道であります。「上下水道庁舎を建設する」という方針は、撤回するよう求めますが、見解をお聞かせください。

上下水道料金の福祉減免制度改悪の見直しを

なお、この上下水道庁舎建設の復活の話と並行して、これまで行っていた「上下水道料金」の福祉減免制度が改悪されるという話が持ち出され、市民から「ムダづかいは復活、市民サービスは切り捨てか」との声が上がっています。
実際、東大阪市の水道料金は高く、府下では最も高い都市に数えられています。ですから、上下水道庁舎建設計画の見直しに関する意見公募が行われた際でも 「庁舎建設のようなムダづかいはやめて欲しい。それより、水道料金を安くして欲しい」という声が多数寄せられていました。今、起きている事態は、こうした 願いとは、全く逆行するものです。
上下水道料の減免制度は、福祉減免として低所得世帯に活用されてきました。生活保護世帯への二重支給と言いますが、生活保護基準の「第2類」は「第1 類」の食費・衣類などの費用以外の世帯全体で使う光熱水費や家具、什器費等として支給されており、水道料にいくら、というものでもありません。また、水道 料は市によってまちまちです。
さらに、これまでの制度見直しの議論の折りでも見送られてきたことや、国が老齢加算の廃止に続いて、母子加算も廃止する計画をもっており、さらには保護 基準そのものを切り下げようとしていることから言って、今は、生活保護世帯への福祉施策を改悪すべきではありません。廃止を見直すべきですが、お答え下さ い。

旧同和施策の見直し、終結がまともな市政にする

第3に、旧同和施策の見直しをすすめ、速やかに終結することを求めて質問します。
同和行政は、封建的な身分差別のために、差別の対象とされ、住宅や居住環境などが劣悪な状態におかれた旧同和地区の人々の実態を早急に改善することが本 来の役割でした。ところが、これまで特定団体の言いなりになってきたため、乱脈と不公正が市政全体に広がり、市民の強い批判の的となってきました。それゆ え、その是正は、公正で民主的な市政という、いわば地方自治体にとってもっとも大事な課題として積年の課題となってきたのであります。
さらに、同和地区の実態が大幅に改善され、実態の劣悪性が差別的な偏見を生むという一般的な状況はなくなり、特別対策を行うことがかえって同和問題の解決を遅らせるということを政府ですら言うようになっています。速やかなる終結が求められているのであります。
長尾前市長は、こうした点を踏まえ、旧同和施策の見直し、そして、終結ということに本格的に取り組み始めていたのであります。私は、この是正と見直しをさ らに発展させることが、まともな東大阪市にし、ひいては同和問題を解決する道だと考えます。中断させることでなく、見直しを継続、発展させることが求めら れているのであります。

乱脈、不公正の是正、見直し・終結を

ところが野田市長の所信表明には、同和施策の見直しに関する発言は一言もありません。市政の最重要課題について何ら語ることのできないようでは東大阪市の未来を語る資格はない、と言わざるを得ません。
そこでお聞きします。市長は、先ほど私が強調した乱脈や不公正の是正や、旧同和施策の見直し、そして、同和行政の終結についてどう考えているのか、見解をお示しください。
また、この間、長尾前市長は「法・条例や公正・公平の観点から見て、特別の優遇措置と受け止められる内容となっていないか」「効率的な行財政運営の観点 からみてどうか」「一般社会通念からみて理解を得られるものになっているか」という基準で当初予算での見直しを行ったのに続き、「さらに総点検をすすめ る」としてきました。
私は、今後もこの基準による見直しと総点検、是正が必要だと主張するものですが、市長は「その必要あり」と考えているのか、それとも「必要なし」と考えているのか、明確なる答弁を求めます。

野田市政下、見直しに逆行の事態

次に、具体的な課題について2点質問します。と言いますのは、市長が旧同和施策関係で無責任な「だんまり」を決め込むなかで、実際には、見直しと是正に逆行する事態が進んでいるからであります。

中止された荒本駐車場の建設復活はするな

逆行の動きの第一に、荒本地区の産業用仮設駐車場の建設問題についてお聞きします。
東大阪市は、2004年12月以降に「荒本地域のまちづくり」において、産業用の車両を経済部の荒本仮設駐車場に受け入れることを検討し、その結果にもとづき「リニューアル整備計画」を作りました。
これに対し、長尾前市長は、産業用自動車の駐車場を一般地域につくるということは行っておらず荒本地区の産業用仮設駐車場の建設が、「特別の優遇措置と受け止められる特別対策」となることや、多額の費用を要することなどから、中止、白紙化を決めました。
ところが、自民党や公明党は「駐車場を整備したなら年間1200万円の収入があるはず。それを中止した長尾市長には市長の資格がない」などと攻撃を加 え、市長不信任の理由にしてきました。それだけに、事業の復活が心配されていましたが、現実には白紙化を見直すような動きが生じています。

財政難のおり7億円もかけるのは問題

しかし、これは先ほど述べたように特別の対策になる点でも、事業費の点からも復活すべきではありません。
特に、その後明らかになったことですが、復活させて有料駐車場を作るとなると、用地費を含め事業費は7億円にもなります。財政難のおりに、こんな巨費を 旧同和施策の特別対策につぎ込むことは絶対に許せません。キッパリ、復活させない、と明言すべきでありますが、答弁を求めます。

執行停止になっていた共同浴場の改修に3,600万円

逆行の動きの二番目の問題として、共同浴場に多額の税金を投入する問題について質問します。
わが党は、これまで東大阪市の共同浴場への税金投入が、毎年7千万円とか8千万円という巨額なものになっていること、公金を投入している他の自治体が数 百万円というのと比べて異常に高いこと、大阪市では2004年度に補助金が廃止されたこと、などを示して、「公金投入をやめるべき」との主張をしてきまし た。
長尾前市長は、予定されていた長瀬の共同浴場の改修工事については、共同浴場の金銭出納を市の職員がおこなっている問題の解決や、共同浴場のあり方も検 討してから執行すべきとして、発注を止めていました。ところが、野田市長に変わったとたん、まともな検討もないまま、発注が行なわれようとしています。そ の金額は、実に3600万円という大きな金額です。同和見直しの上からも、効率行政の上からも大問題であります。今後の在り方が出るまで、執行を停止する よう求めますが、答弁ください。

以上、答弁によっては再質問することを申し上げ、第1回目の質問を終わります。ご静聴有難うございました。

 

<理事者答弁を紹介します。>

(問)乳幼児医療費助成制度における通院の対象年齢を就学前まで拡充する条例改定案を第4回定例会で提案することについて(市長)
乳幼児の医療費は少子化対策の柱として確立され、H20年4月から患者負担が就学前まで3割負担から2割負担に軽減されます事から、乳幼児医療費助成事業は概算で約1億円の軽減となり拡充する契機であると考えております。
しかしながら通院を就学前まで拡充するとすれば、なお更なる財源が約1億円必要となります事から、20年度予算を含め乳幼児医療費助成制度の拡充にかかる今後の収支展望を精査中であります。
財政的には非常に厳しい状況ではありますが市民の要望も強く、私の公約でもあります事から20年度の当初予算で提案し、早期に負担軽減が図れるように努めて参ります。
また医療費の無料化につきましては大阪府下の全市町村において、一部負担金の導入を制度化しており無料化する事は市民の方々や医療機関に混乱が生じる事にもなり、現時点での東大阪市単独での実施は困難であると考えます。

(問)「上下水道庁舎の建設」に対する見解について(市長)
私は市長として災害時に51万市民の生命と財産を守る義務がある事から、前市長時代の方針を白紙に戻し今後も総合庁舎の12階を多機能な防災拠点とすることを前提に上下水道庁舎について再検討するものであります。

(問)コミュニティバスについて(経営企画部長)
本市では大阪市から放射線状に伸びる4本の鉄軌道があり、その主要駅を結ぶ乗り合いバス路線が南北に存在しています。1日あたりのバスの運行台数は延べ 1300台を超えており、また来年の春にはJR「おおさか東線」の開業予定もあり本市の地域公共交通網は一層充実される事になります。
今後は市長公約にある高齢者などをはじめとした交通弱者の方への対応について庁内検討委員会を設置し、今まで調査を進めてきたコミュニティバスのみにとらわれずに幅広い調査・研究を進めてまいりたい。

(問)市民税における市民負担軽減について
地方税法の改正により老年者の非課税措置がH18年度に廃止されましたが急激な税負担を軽減するためH18年度、19年度の2年間の経過措置が取られております。
ご指摘の軽減制度につきましても急激な税負担を軽減するため地方税法の経過措置にあわせ2年間限りとしたものでございます。

(問)共同浴場について(人権文化部長)
市立長瀬共同浴場につきましては地域の住宅に浴室スペースを設置していない事から東大阪市立共同浴場条例に基づき住民の保健衛生の向上を図るため市の施設として設置・運営しているものであります。
しかしながらS50年開設以来大規模な補修ができていない中ボイラー機能の低下等老朽化が進み施設の維持管理に支障をきたす事から必要最小限の補修を行うものとして3月議会においてご承認頂いたものでございます。
なお今後の運営にあたっては引き続き効率的・効果的な運営に努めて参ります。

(問)国保料の減免の拡充について(市民生活部長)
国保料の減免制度につきましては適正な制度となるよう、常に見直していかねばならにと考えておりますが、多額の累積赤字を抱え財政再建の途上で国の支援 を受ける本市の財政状況においては「その他障害」及び「難病患者」に対する減免適応の拡充は現時点においては非常に厳しい状況にあるものと考えておりま す。

(問)後期高齢者医療制度について(市民生活部長)
制度中止は困難と考えます。しかし高齢者の負担増とならないよう広域連合並びに国等関係機関への働きかけは行う所存であります。
後期高齢者医療制度の保険料の賦課につきましては「大阪府後期高齢者医療広域連合」において、法令・広域連合条例などにより低所得者の負担の軽減も考慮して決定されております。
こうした法令・条例上の枠組みを超えて市町村の一般財源から公費を投入し、保険料の軽減を図る事については現役世代と高齢者世代の負担を明確化し、公平でわかりやすい医療制度の創設趣旨から鑑みて、厚生労働省の見解においても好ましくないとされております。
ただし今後大阪府広域連合及び府下市町村の動向を注視していくことは必要であると考えます。
保険料を1年以上滞納した場合の保険証の取り扱いでありますが、法第54条第4項及び第7項の規定により「広域連合」が被保険者資格証明書を発行するこ とになっております。しかしながら対象となる被保険者が高齢である事を鑑みて、機械的一律に資格証明書の適応をするのではなく、市としても納付相談の機会 を増やす事により、被保険者の納付困難な実情等を充分把握し適切な対応を行っていきたいと考えております。

(問)「集合工場の建設」「産業技術支援センターの機能強化」「訪問相談支援事業」にかかる具体化について
荒本地区の産業用仮説駐車場の建設について(経済部長)
「集合工場の建設」と「産業技術支援センターの機能強化」につきましては現在、東大阪市中小企業振興対策協議会工業部門におきまして、(仮称)モノづく り支援新戦略の策定について議論が進められており、その重点施策として「集合工場の建設」や「産業技術支援センターの機能強化」が位置づけられておりま す。
今後この(仮称)モノづくり支援新戦略の提言を踏まえて、予算化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
また「訪問相談支援事業」につきましては小規模企業の円滑な事業承継が課題となる中、その手法としては検討する必要があると認識しておりますが今後、東大阪商工会議所において小規模企業の巡回訪問の取り組みが強化されると聞いております。
本市と致しましてはこのような商工会議所の取り組みと連携しながら小規模企業が抱える課題の一つである事業承継の円滑化に向けた方策を検討して参りたいと考えております。

次に産業用駐車場の建設についてでございますが、産業用駐車場については旧同和施策に関連する事業としては考えておりません。ただ市内中小企業に対する操業環境の向上を図るための支援策としてその検討の必要はあると考えております。

(問)介護保険料について(福祉部長)
介護保険料の減免基準の拡充につきましてはH21年度から運営する第4期介護保険事業の計画策定時に検討して参りたいと考えております。

(問)子宮ガン検診の毎年実施について(健康部長)
子宮ガン検診については国の「がん予防重点健康教育及びがん検診のための指針」に基づき、20歳以上の女性に2年に1回の検診を実施しています。しかし 受診もれ等の市民が見受けられる事から今年度から対象年度に受診していない場合は翌年度でも検診が受けられるよう機会の拡充を図っているところです。今後 とも実受診の受診勧奨に努めて参りたい。

(問)上下水道料減免制度について(上下水道局次長)
市の福祉施策の一環として実施しております水道料金及び下水道使用料の福祉減免制度の見直しにつきましては経過と致しまして議会審議や包括外部監査にお いて生活扶助費に光熱水費が含まれている事から二重の給付にあたるとの指摘があり、また先に策定された「行財政改革の基本方針」や「集中改革プラン」にも 減免の見直しが位置づけられている事から市の施策として生活保護世帯の減免廃止が決定されたものです。

(問)通学区域の自由化について(教育長職務代理者)
通学区域の自由化につきましては保護者の意向が反映される反面、特定の学校への希望者の集中や過小規模校が生じるなど学校運営上の問題、地域社会と学校 とのつながりが希薄になるなど多くの問題も考えられます。教育委員会としましては子ども達を地域で守り、育ちを支援するための学校、家庭、地域の絆を大切 にし連携を深める場としての「地域の学校」づくりが必要と考えております。

(問)少人数学級について(学校管理部長)
少人数学級の実施につきましては学習面や生徒指導面においてよりきめ細やかな対応を行うということからも、その必要性については認識をしているところでございます。
少人数学級編制に向けた基準の改善につきましては基本的には人件費等財政負担を含め、国・府の施策として実施されるべきものと考えております。