市議団ニュース
2016年10月14日(金)  [市議団ニュース]

9月28日(水)東大阪市議会 平成28年 第3回定例会「本会議」での日本共産党 内海公仁 団長の代表質問の主な質問の概要です。

日新高校の定時制を来年度廃止する問題
教育委員会は「日新高校の定時制課程を来年度廃止」の方針を示しました。理由は「入学希望者が年々減少し、クラスとしての集団形成すら困難」というものです。
この間、日新高校定時制課程では、簡易給食が廃止、交通アクセスが不便であるにもかかわらず、自動車・バイクでの通学を全面禁止、入学希望者の実態を無視した変更など、入学希望しにくい状況を教育委員会がつくってきた事が問題です。様々な事情で、高等教育を受けることができなかった若者たちに学ぶチャンスを提供する重要な役割が定時制にはあります。それを廃止することは、憲法26条1項に規定する「教育をうける権利」の剥奪にもなりかねません。
日新高校定時制廃止方針を白紙に戻し、入学希望者を増やす手立てを尽くすことが先決ではないか。
【学校教育部長】生徒数が少ないことで授業や学校行事に制約が生じ、期待される教育の提供に困難が生じている。府内の高等学校諸学科の設置状況、志願者の状況、今後の中学卒業者数の推移から、生徒の志願先は保障できるものと考える。

東大阪市の財政収支展望の破綻と対策について
昨年10月に財政当局は、平成36年度までの財政収支見込みを示しました。それによれば、平成28年度以降、毎年単年度収支がマイナス続きで、10年間の総額では、184億円近くの収支不足が予測されている。その不足した財源の補填として平成27年度末に210億円ほど保有する各種基金をあてる。結果、平成36年度末でどうにか歳入不足はカバーできるとしていが、その数ヶ月後に野田市長が編成した28年度予算では、見通しで示された単年度収入不足21億をはるかに超えて約100億円の収支不足を財政調整基金で埋め合わせるという深刻な予算が示された。財政が10年かけて活用しようとしている財政調整基金の9割を、その他の基金の総額に対しても50%もの充当財源を1年目で使ってしまう。このシュミレーションには、未だ計上していない建設事業、計上していても事業費が増加している花園ラグビー場整備事業などもあります。財政収支見通しは破綻しているといわざるを得ません。
今後、市が想定している今後5年間の大型プロジェクトに関する事業費、建設事業費の全体像の概要を示して下さい。
【経営企画部長】現在、第2次総合計画後期基本計画第4次実施計画の策定に向け作業しています。その中で、平成31年度までの3年間に本市が推進する主要なハード事業の概算をお示しします。
平成29年度予算編成に必要な財源確保の見通しと計画はどうか。
【財務部長】本市の財政収支見通しは、今定例会補正予算編成後の財政調整基金の残高が52億円となる非常に厳しい状況。継続事業の見直し、市有地の有効活用などにより、財源確保をおこなっていく。
平成36年度までの財政収支見通しおよび財源計画を29年度予算編成方針までに早急に示してください。
【財務部長】平成27年度決算をもとに、地方財政制度の動向を踏まえつつ、今後予定される建設事業も含め、平成29年度予算編成方針とあわせて策定します。

2019年ラグビーW杯開催に伴う事業費の財源のあり方と今後の見通しについて
ラグビーW杯の花園での試合のために、やらなければならない課題をいつまでに、どれだけの費用をかけておこなうのか、その財源はどう確保するのか。
ラクビー場整備に関する費用については、当初36億円程度必要とされていたものが、今年3月の段階では、41億円ほどに膨らんだ。さらに6月議会で、これが72億円ほどになることが示され、今議会では、その内容で債務負担の変更議案が出されました。
今回示された、総額72億円近くのラグビー場整備費用に関して、その財源内訳はどうなっているのか。
市長】日本スポーツ振興センター助成金が約11.8億円の交付決定。社会資本整備総合交付金は約17.4億円が本市の最大執行可能額。残額の43.4億円を市の財源等で設定している。
市費負担分について、起債を起こすのか、そうであれば、償還期限と年割はどのように考えているのか。
【財務部長】市費負担部分は、起債を充当しますが、その償還は、据え置き期間を含め、最長で25年。
25億円目標と標榜していた、寄付金の現状は。
【市長】平成28年8月末までに、約8千万の寄付をいただきました。
今後、ラグビー場整備に関わって、必要な項目はなにか。事業費はいくらか。新たな市財政の負担になるのではないか。
【市長】ラグビー整備場は、今回が最後の設計。今後、整備費用は生じることはない。

「旭町庁舎」保存活用の問題について
世界的近代建築の巨匠、ル・コルビュジエの技術的手法とデザインが随所にちりばめられた旭町庁舎は、多くの専門家の皆さんが、保存活用を繰り返し要求しています。今年7月、ル・コルビュジエが設計にかかわった国立西洋美術館が世界遺産として登録され、近代モダニズム建築の価値が高く評価されています。
しかも、当初耐震補強が困難であるとか、改修整備費用が13億円程度必要だが、新築する場合でも同額の13億円ですむから建て替えするなどといっていた話が、現在の整備計画では、施設整備で20億近くにもなっている。6月議会のわが党の質問に対する答弁で、「(耐震補強箇所が)複数にわたるため、外観やデザインをのこして耐震化をおこなうことは困難」と答弁されました。さらに「来庁市民や職員の安全性、利便性、整備費用などの経済性等を総合的に検討」した結果、解体し新庁舎を整備するとしています。
耐震化によって、外観とデザインの変更を伴うというのは、どこの部分を言うのか
【経営企画部長】内部もさることながら、外観も鉄骨のブレースや耐震補強壁が現れてきます。そのことから多くの部分で現在の状況と変わってしまうため、デザインを残しつつ、耐震補強を行うことは困難。
安全性、利便性、整備費用でそれぞれ比較内容を説明して下さい。
【経営企画部長】仮に耐震補強を実施した場合、地震に対する安全性は確保できると考えられますが、利便性の観点では、事務室などの分散化、待合スペースや廊下などの共用部分の一層の狭隘化、バリアフリー化などの問題が引き続き出てくるもと考えられます。整備費用は、旭町庁舎は築50年以上が経過し、今後の維持管理費用、耐用年数等を勘案し、庁舎を建替える方が、長期的に経済性に優れている。
今からでも、建築の専門家に対して、文化的価値の保存活用のために技術的助言をもらうべきでは。
【経営企画部長】日本建築学会を始め、多くの方からご意見をいただいていますが、「市民の安全安心を守る防災関連施設」、「持続可能な市民サービスの提供」を行うため、新庁舎の建替えを進めていく。

総合病院元職員による巨額横領事件に関して
元総合病院職員が、1億5千万円に及ぶ巨額の公金を横領したといわれる事件が発覚。9月13日、容疑者の職員が逮捕された。この事件の背景には、病院職員が委託先から派遣されている担当者にたいして、本来の業務手順とは異なる業務指示を出し、委託業者の担当員がその指示に従って事務を行って金銭を出金していた問題がある。このことは、わが党が、市役所業務の民間委託の最大の問題点としてくり返し指摘してきた、「偽装請負」となる違法が現に起きていたことを証査するもので、事務の一部分を民間業者に委託することが危険かを示した事件。
しかも、委託先業者の担当員が仮にそのことが不審に感じても、それが病院当局に報告、相談する仕組みすら存在していないところに、今回の事件が長期間にわたって横領が重ねられた、という構造が見えきます。
偽装請負の実態についての認識及び改善策を明らかにされたい。市長部局としても、偽装請負に対する認識と対策について示して下さい。
【総合病院事務局長】職員体制を整へ、委託業者職員の役割と指揮命令を明確化すべく、環境整備も含め改めます。
【財務部長】「偽装請負」は、職業安定法、労働基準法、労働者派遣法などに違反する行為と認識している。偽装請負にならないよう適正に契約書、仕様書を定めるなど留意する必要があると考えます。

また、内海 団長は、市長が連続して発生した職員の不祥事をうけ、「コンプライアンス委員会」設置し「その指針」をまとめたが、その間も横領が繰り返され、改善しなかった問題などを質問しました。