市議団ニュース
2016年10月21日(金)  [市議団ニュース]

10月18日 東大阪市議会 平成28年第3回定例会が閉会

増え続ける巨額の費用! 「花園ラグビー場整備費」73億6千万円
文化財価値を議論せず、現旭町庁舎解体し「新旭町庁舎建設費」24億2千万円

10月17日(月)本会議 最終日の予定が、一日延長となり、18日(火)深夜3時から本会議が開会し4時過ぎまで開催された。日本共産党は、「平成28年度東大阪市一般会計補正予算(第4回)」の内、花園ラグビー場整備事業費の増額や現旭町庁舎を解体し新旭町庁舎建設を行う予算の削除を求める組替え動議を提出。他会派は反対し、否決されました。続けて、「平成28年度東大阪市一般会計補正予算(第4回)」の内、現旭町庁舎を解体し新旭町庁舎建設を行う予算の削除を求める修正案を、4会派4名の市議が提出。現旭町庁舎解体に反対する一点で日本共産党も修正案に賛成。公明党、大阪維新の会などが反対し否決されました。引き続き、花園ラグビー場整備事業費の増額や現旭町庁舎を解体し新旭町庁舎建設を行う予算を含む「平成28年度東大阪市一般会計補正予算(第4回)」の原案に対する採決を行い、日本共産党、修正案を提出した4会派4名の市議は反対。公明党、大阪維新の会などが賛成し可決しました。
また、大阪維新の会が「東大阪市議会政務活動費の廃止条例」を提案、日本共産党含む反対多数で否決されました。

日本共産党市会議員団 嶋倉久美子 市議の
今議会の議案に対する「本会議 討論」(概要)

■「東大阪市文化創造館」に関わって
新しい市民会館です。ホールやスタジオ機能など良い施設が出来ると期待するものです。しかし、その設計・建設及び管理・運営方法にPFI方式を取り入れ、指定管理者制度を導入することに対しては疑問です。
PFI事業の狙いが大企業・金融機関・ゼネコンのための新事業を作り出すために、従来の公共分野の仕事を民間の事業に明け渡すもので、この間全国でPFI事業の破たんや事実上の倒産事例が相次いでいます。わが党は公的責任を曖昧にするPFI事業には反対です。
事業者は施設全体の年間収入を2億8千万円と見込んでいますが問題は、東大阪市には一切入ることはなく事業者の収入になります。これでは誰のための施設なのかわかりません。また、旧市民会館の条例では「福祉の増進」という自治体本来の役割としての位置づけがありましたが、文化創造館の条例にはその位置づけがない。旧市民会館では、社会福祉団体などが利用する際に平成26年度130件の減免、免除です。経済的に厳しい状況下にある市民が、経済的な状況にかかわりなくこの文化創造館を利用することができるようにすることは市としての役割ではないか。文化芸術の振興を図る拠点となる施設として減免制度を廃止すべきではない。また、企業名や商品名などを施設の名前につけるネーミングライツを導入しようとしていますが全国では、短期間でころころ名前が変わることで施設の名前が定着せず、地域住民に親しまれる施設として根付かなくなるという問題が起きています。

■「花園ラグビー場整備事業」について
花園ラグビー場改修工事費等、平成30年までの「債務負担行為73億6,630万円」の内容です。
ラグビー場整備費用は当初36億円、それが今年の3月には41億円になり、6月議会では72億円と増え続け、市民からも不安の声が出てきています。助成金など約29億円入るとしても44億円余りは市の負担で、土地の取得も合わせてこれまでの整備費用の合計はすでに土地代を含めると120億円近くにも達しています。今議会、わが党の代表質問に「ラグビー場整備は、今回が最後の設計で、今後、整備費用は生じることはない」と答弁されていました。総務委員会での議論では本体の整備以外に、さらに仮設施設の整備として、メディアセンターやスポンサービレッジなど計8項目が予定されています。市民に対していくら掛かるのかも明らかにしないで次々と増え続ける整備費に対し、かかる費用の全容を市民に知らせるべきです。

■「新旭町庁舎建設事業」について
現旭町庁舎を解体、PFI方式で新しい庁舎を建てる予算で、平成46年までの「債務負担行為24億2,200万円」の内容。
旭町庁舎は、今年7月世界遺産に登録された国立西洋美術館を設計した世界的近代建築の巨匠ル・コルビュジエの影響を色濃く受けた建物で、市民や建築の専門家からも旭町庁舎の保存・活用を求める声が広がっている中で、市はその声を聞こうともせず解体しようとしています。2005年に作成された「東大阪市景観形成基本計画」で「このような価値ある建物を保存し、地域の拠点などとして上手に使ってゆくことが大切です。」と表明している。自ら決めた計画を率先して踏みにじる自治体がどこにあるでしょうか。当初、耐震化はできないといっていたのが、「耐震化は出来る」と答弁も変わりました。「デザインや意匠を残しての耐震化はできない」という点も、この10年で技術も進歩し、再生することは可能であるということは建築専門家も認められています。市は「総合的に判断して決めた」といいますが、文化財の価値としての議論は全くされていなかったことがあきらかになりました。申請すれば文化財として登録されると思われる建造物が東大阪市に存在しているのです。一度立ち止まり議論をすることを強く求めます。

■日本共産党の「請願」についての態度
●27請願第18号「より良い子育て環境の実現を求める請願の件」、27請願第19号「公立の就学前教育・保育施設再編計画の撤回を求める請願の件」は、募集も具体的に始まっており、提出から1年が経過している継続審査ではなく採択すべき。→結果 継続審査
●27請願第20号「全図書館の管理者制度移行及び新永和図書館建設計画の再検討を求める請願の件」、28請願第1号「金岡保育所の廃園及び集約の延期を求め
る請願の件」は、わが党は採択すべきとの考えですが、
今なお議論の余地があり最後まで提案者の意思を尊重
するという立場から継続審査に賛成。→結果 継続審査

日本共産党市会議員団 塩田清人 副幹事長の
大阪維新の会市議団 提出の「東大阪市議会政務活動費の廃止条例」に対する反対討論(概要)

政務活動費は何のためにあり、その活用の範囲をどう設定しているのか。政務活動費は、地方自治法第100条14項、15項、16項に規定され、議会議員の政務活動に資するため、本市議会においても「政務活動費の交付に関する条例」を定め、その経費の範囲等も示され会派に対して交付しています。
日本国憲法 第93条2項は、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員(りいん)は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」と規定し、執行機関としての独任制の長と合議制機関としての議会の、いずれもが直接民意を反映した存在となるよう位置づけられています。その二元代表制のもとで、議会は市長と独立・対等の立場で議事機関として闊達に議論し、そのことを通じて市長等 執行機関による政策決定、ならびに事務執行等についてチェックと評価を行うとともに、政策の立案や提案を積極的に行うことが求められます。
このことから議員の政務活動も二元代表制がその根本にあり、議員としての調査研究と政策立案及び提案権を、政務活動費のルールのもとで もっと活発にすすめることが、地方自治のためにも、市民福祉の向上のためにも大切です。
主な政務活動とされているのは、
議員が調査研究を行い 市民の暮らしと市民福祉の向上等のために政策を立案し、提案をする「政策立案と提案権」を行使すること。
市民の意見を広聴するとともに、市民からの要請や陳情、また請願等、市民の意思を把握し、市政の諸施策の発展と市民福祉の向上へ反映させるという「市政への市民意見の反映」
市政全般にわたり、市民にわかりやすく市政の現状と課題を広報する「市政報告」の観点からの活動。
わが党は、本市の約2900企業を対象として実態調査を行い、課題をまとめ議会で経済政策を提案したり、中学校給食やコミュニティバスの運行など、先駆的な都市を調査研究して本市におけるあり方や政策を提案。最近では小中一貫教育について先行自治体におけるあり方や問題点、課題などの学習をし、広く市民にもその報告会等行うなどしてきました。
それらには一定の費用を要するものであり、その原資が政務活動費です。今回の条例提案は、政務活動費の廃止を行うわけですから、議員の政務活動を事実上否定するもの。
議員の政務活動費の不適切な支出が本市でも続き、市民の信頼を失墜したことは各々の議員及び会派が真正面から受けとめ、再発防止に取組み、信頼回復のために全力をつくさなければならない。合わせて、昨日からの新聞等の報道でわが党の府議会議員が、政務活動費の支出に関わり、その金額や使途・目的については政務活動にかなっているわけでありますが、「領収書を自ら記入する」という、まちがった行為がなされたことは、本人はもちろん、わが党としても深く反省・陳謝しなければならない。
市民の方々が今も求めていることは、政務活動費の不適切な支出を抜本的に改め、そのためのルールと仕組みをつくることで、議員としての法令遵守意識と資質の向上を図り、市民福祉の向上と暮らしを守るための政務活動を、それぞれの議員がしっかりとすすめることです。当然、『透明性の確保』『使途についての公開性の確保と万全のチェック機能の発揮』『活用にあたっての効果や成果についての明確な説明責任および政策立案と提案』等が行われるべきです。
以上のことから、日本共産党東大阪市会議員団は本条例案に反対するものであります。
大阪維新の会東大阪市議団は、昨年の第4回定例会以来、「廃止」「停止」「停止」「廃止」と毎議会ごとに「政務活動費の廃止の議案」を提案。議案の提案は、議員の議案提案権として認め尊重するものですが、一方、「廃止」「停止」と提案は違うものの、説明趣旨などをお聞きすると、提案の背景や趣旨などは、ほぼ同様であると思われるのです。それが、本市議会において質疑・討論が行われ、議決があり、提案の議案は多数で否決となったものです。議会で議決されたことについての重みがあります。そこでは少数者の意見の尊重という点も忘れてはならないことですが、一旦議決されたならば、提案者も含めてその重みを受けとめる必要がある。そのことをふまえないとするなら、それは議会の議決を重んじない、「ためにするもの」と言われても仕方のないこと。
日本共産党東大阪市会議員団は、今後も政務活動費の活用・使途について、全面的な透明性と公開性を確保し、使途についての厳格なチェック機能の発揮と、その体制上の確保をした上で、活用の効果や成果、及び政策提案等の説明責任をきちんと果たすため、自らを律し取り組みます。