市議団ニュース
2017年12月09日(土)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第3回定例会(10月の本会議 質問②)

10/5(木) 日本共産党 塩田 副幹事長の「本会議 個人質問」要旨
◆子どもの貧困問題と支援策 ◆公立保育所と幼稚園の再編整備について
◆学童保育の運営課題 ◆その他の質問(本市の地域公共交通の総合的な政策について、斎場の再編整備の課題と対策、鴻池新田会所の改修と整備、災害対策の充実を)

1.子どもの貧困問題と支援策について
経済的な困窮を中心として 子どもたちが相対的な貧困状態におかれ、成長発達の各ステージで複合的な困難さを抱えるという「子どもの貧困問題」が大きな社会問題となっています。国は2013年6月の『子どもの貧困対策法』の制定後、『子どもの貧困対策に関する大綱』を策定。また先頃2015年度の子どもの貧困率が13.9%と発表し、7人に1人が相対的貧困状態にあるとしています。わが党は、本市でもこの問題への認識とともに、行政組織として担当部署を決め、実態把握と総合的な支援を進めるよう求めてきた。ようやく今年度より「子どもすこやか部」を事務局として実態調査も行い、その支援策が進められようとしている。
本市の 「子どもの生活に関する実態調査」が行われましたが、調査のねらいや対象、また回収状況や特徴はどうだったのか。今後の分析や集計をいつまでにどんな形で行うのか
実態調査を生かし、支援策を検討・具体化していくために行政組織として横断的な政策検討機関等をつくり、恒常的な支援のためにも『(仮称)子ども貧困対策推進条例』の策定を提案しますが、支援策づくりについての基本的考えや認識をお示しください。
中でも「子ども食堂」について、今後、行政がどう関わり、支援の一旦を担っていくのか。
民間サイドの取り組みの実態を今後どう把握し、どんな形で行政と民間組織での支援ネットワークをつくっていくのか。

【子どもすこやか部】
①調査内容など集計作業に入っている。今後、素案を策定。今年度中に、子どもの貧困対策に関する計画を策定し、新年度からの施策の実施に向けて取り組む。
②今年度立ち上げた庁内の全体会議「子どもの貧困対策推進委員会」の役割は極めて重要と認識している。条例の制定は、今後施策を推進する中で、改めて検討する。
③把握している範囲で、意見交換し、情報収集に努める。そこで収集したニーズに沿った支援策を検討する。
④正確な箇所数を把握していない、何らかの方法で情報収集する必要がある。公民連携支援ネットワークは、お互いの情報交換がより良い支援につながる重要なものと認識しているので、新年度より立ち上げる。

2.公立保育所と幼稚園の再編整備について
市は、①質の高い幼児期の教育・保育の提供 ②待機児童の解消 ③在宅での子育て支援 をすすめるために、小規模保育事業の増設と認定こども園の普及をはかり、公立保育所と幼稚園を平成28年度に30園あったものを13園にまで減らす計画を進めています。しかし、小阪認定こども園では通園区も広く通うことの負担や安全性等も問題となり、定員を約50人下回り1号認定児童が多くなる。縄手南認定こども園では,統合で定数が2倍、3倍となり園の行事をすすめることも大変になり、保育所で行っていた行事が違う形になっています。1号認定の方からは、これまでの幼稚園教育とは違うと矛盾も続出。他の幼稚園に転園する児童も出ています。両園ともカリキュラムでは2号認定の児童の午睡の時間がズレてしまい生活リズム上の問題や、1号認定児童の長期の夏休み期間は、集団がガラリと変わる等の問題も指摘されています。これでなぜ質の高い教育・保育の提供でしょうか。
一方、今年度の待機児童数は106名と若干減ったものの、4月1日時点で保育所未入所児童は15名増え377名となり、小規模保育園の定員に対して33名も空きが出るなど、市の計画はすでに破綻しています。今年、保育所入所の最高選考指数の中にはフルタイムで働く共働き家庭や、ひとり親家庭が87点や82点という高い数値であっても入所できず待機児童となった方もあることが明らかになっています。
来年度から0歳児の募集停止が予定されていた鳥居・岩田・御厨・友井保育所の保護者の皆さんが市長宛に約6万6千を超える署名を集めて募集停止計画の中止と、『公立の就学前教育・保育施設再編整備計画』の見直しを求めました。4園の「0歳児募集停止」は、1年先送りとなったと仄聞しております。
公立の認定こども園における再編整備は、通園区が広く子どもの安全上も、また質の高い教育・保育の内容上も問題が多すぎます。見直しの時期にあたり当面、抜本改善を求めますがどうですか。
市民の保育ニーズや実態から見ても、募集停止をはじめとする「再編整備計画」は一旦撤回し、真に子どもたちの為の計画に変更すべき。

【子どもすこやか部長】
①保護者の方にも教育・保育の内容を十分説明していくとともに、より質の高い教育・保育の内容の提供を目指し、プロジェクトチーム会議を定期的に開催し、その進捗と課題の解消に向け、検証も含め、努めたいと考えている。
②「再編整備計画」の基本方針に変更はない。

3. 学童保育の運営課題について
「留守家庭児童育成クラブ事業」(以下、学童保育)は、2015年度から児童福祉法とともに、「子ども子育て支援法」やそのもとでの「放課後児童クラブ運営指針」等にもとづき運営されることになりました。小学6年生までを対象とし、内容も子どもたちの生活の場であり、育ち合う場にふさわしい環境や設備を整えること。支援員の果たすべき役割や雇用の位置づけが、より明確に規定された。
しかし、本市では子どもの成長・発達をふまえない管理的指導があったり、「留守家庭児童育成クラブ補助金要綱」を逸脱した運営があったこともわが党が指摘してきたところであり、支援や運営上の課題が山積しています。また、今年度は10クラブで122人と 昨年の約3.5倍もの多くの待機児童が出ており、その対策上も課題があります。
今年度は、地域運営委員会、企業2者、NPO法人という4様の学童保育の運営形態となっていますが、先日の本会議では来年度より委託事業として学童保育がすすめられることになりました。
今後の運営手法として、委託事業へと形を変更しましたが、検討経過と理由を明らかにして下さい。委託事業にあたって、今後、事業者はいつ、どのような仕組みと内容で選定していくのか。

わが党は27年度決算審査でも、企業2者が要綱を逸脱し、補助金返還せず利益としていたことを指摘しました。また28年度の企業運営のクラブの収支報告で、不明な点がみられると保護者団体からの指摘もあります。
補助金収支報告の内容に問題があるクラブには、どのような改善が図られたのか。今後、委託事業のもとでの事業収支報告をはじめ、財政運営上の確認・チェックをどうしていくのか。

厚生労働省が示している『放課後児童クラブ運営指針』では、「育成支援の基本」は、「子どもが安心して過ごせる生活の場として ふさわしい環境を整え、安全面に配慮すること。また子どもの発達段階に応じた遊びや生活が可能となるように、自主性、社会性、創造性の向上と基本的な生活習慣の確立等により 子どもの健全な育成を図ることを目的とする」と内容と位置付けを明確にしています。学童保育の運営形態が違っても、行うべき支援の重点や全国的な標準仕様を示しています。しかし今年度、本市では環境面でも児童一人あたり1.65㎡に満たないクラブが14クラブあったり、児童への支援も安全の確保を優先させた子守り的・管理的なものやアニメビデオ鑑賞に偏ったものなど、運営指針で示された内容になっていない所が少なからずあります。
本市は『放課後児童クラブ運営指針』をどう受けとめ、クラブ運営事業者や支援員にどのように徹底を図っているか、また運営指針に示された学童保育の内容など、仕様書でどう示し、今後どのように確認・チェックをしていくのか。
子どもたちの発達段階に応じた遊びや生活の支援等、『放課後児童クラブ運営指針』に基づく支援員の資質向上や、生活の場としてふさわしい環境を整えるための改善をどう図るか。
待機児童の解消をはじめ、子どもの実態に応じた環境整備を図るためにも、学童保育への意向確認や入所申請を前倒しで年内に行い、必要な予算化と施設整備等、早期対応を図るべき、対応策をお示しください。

【社会教育部長】
①児童福祉法が改正され法的に位置づけられた事業となり、事業内容の高度化、複雑化など事業全体の厳格化が求められ、事業を取り巻く環境が大きく変化するなか、市の事業と位置づけて委託事業としました。事業者の選定に当たっては、プロポーザル方式を取り入れ、競争原理を原則としながら従来の実績も評価できるような手法を検討しています。12月末までには事業者を決定したい。
②補助金部分の余剰金は返還を求めました。今後は、プロポーザルにより価格競争が働く中、一定、合理的な金額になるものと考えており、業務委託仕様書に沿った事業内容になっているかの内容の精査が必要になると考えている。
③業務委託仕様書は、運営指針に沿ったものにしたい。確認・チェックは、業務委託仕様書に基づき事業が履行されているかの確認をする。
④今年度より市が主体となり、計画的に研修を行っていく予定。生活の場としてふさわしい環境整備は、現状を見ながら検討する。
⑤早い段階で利用希望者の把握を行い、施設の調整を行いたい。また早い段階での入所申請を検討する。

4、その他の質問(項目のみ掲載)
◆本市の地域公共交通の総合的な政策について
◆斎場の再編整備の課題と対策について
◆鴻池新田会所の改修と整備について
◆災害対策の充実を