市議団ニュース
2018年03月09日(金)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第3回定例会
(会期:2017.9.29~2018.3.29の182日間)

3月8日 本会議「3月補正予算の討論」 ―日本共産党東大阪市会議員団 神野 市議
「家庭ごみの定期収集」を民間事業者へすべて委託! (※大型マンション班、大型ごみ班、資源班除く)
市直営が無くなり、大規模災害等や不足の事態に対応する危機管理体制で大きな問題

3月8日(木) 本会議
日本共産党東大阪市会議員団 神野淳一 市議の
「平成29年度 3月補正予算の討論」(要旨)

1、議案に対する態度
●議案第 135 号 平成29年度東大阪市一般会計補正予算(第8回)については反対。その他の議案には賛成します。

2、反対する議案について、以下その理由
(1)経済部のグリーンガーデンひらおか解体事業について
この間、わが党は、グリーンガーデンひらおか解体については、反対の立場から市議会で論戦してきました。生駒山と枚岡公園の緑と自然を背景にし、市民の保養と自然体験講座・学習、健康づくり、研修・会議、教養・文化活動などに幅ひろく利用され、生駒山麓(さんろく)の緑と自然を活かした市民参加啓発行事を実施しており、多数の市民が参加をしています。グリーンガーデンひらおかの解体ではなく、存続のために大阪府からの土地の買い取りも含め、再度検討し大阪府と協議することを求めてきたことから反対します。

(2)環境部の家庭ごみ収集運搬業務委託について
内容は、家庭ごみの定期収集運搬業務において、東地区18班・西地区14班の委託期間満了に伴う入札及び中部環境事業所管内の残る家庭ごみ収集10班を委託した事業です。中部環境事業所管内の残る家庭ごみ収集10班を委託したことで、大型マンション班・大型ごみ班・資源班を除く、家庭ごみの定期収集がすべて民間事業者へ委託されました。市直営体制を減らす中で、震災などの大規模災害への対応や不足の事態に対応する危機管理体制を考えると大きな問題です。

◆「平成18年度 包括外部監査報告書」で市直営の家庭ごみ収集業務についての指摘事項
平成18年度 包括外部監査報告書では、市直営の家庭ごみ収集業務について、「昨今のごみ減量にともない、効率性を向上するためには、公と民がお互いに競争し、切磋琢磨してサービスの質の向上と効率性の増進を常に意識するように配慮する。(例えばA市がごみの回収運搬業務の民営化を行ったが、民営化された当初は、各民間事業者は顧客獲得のため手数料の値下げを行っているが、その顧客獲得競争が一段落した段階で生き残った民間業者が談合して手数料の値上げを行っていくというケースもあると聞いており、民だけごみ収集をおこなっても、長期的には、経済性・効率性が阻害されるリスクがある)」と指摘しています。
また、「民間だけでごみ収集の実施するのであれば、市民生活に大きく影響するストライキ等によるサービス提供の一時中止や、いざと言うときの公によるごみ収集、管理のためのノウハウの喪失、欠如という将来リスクが内在することへの配慮が必要となる。」と指摘されています。
その監査に対しての環境部からの平成21年9月末での措置状況では、「家庭ごみ収集業務」の重要性から、災害やストライキなどの危機管理体制として、中部環境事業所管内の家庭ごみ収集班及び全市域の大型集合住宅を収集対象にしている大型車班については、引き続き市直営体制として行っていきます。」と報告しています。

◆災害等の対応での必要な直営体制の確保が必要
経費削減を進めるために行革だとして、市直営体制を減らし民間事業者だけにまかせていくことは、公との競争がなくなり、競争脆弱な市直営体制について足下をみられれば、料金つり上げの要求が行われたり、質の低下と効率性の増進も阻害されかねません。
また、災害等の対応について、「家庭系ごみ地域定期収集運搬業務委託」仕様書では、「災害時等の協力」として、第21条で「乙(受託者の協同組合)及び丙(受託者の組合員)は、災害等の発生時には、甲(東大阪市)の求めに応じ、最大限の協力をするものとする。」とし、委託事業者はあくまで協力です。
環境経済委員会の質疑で、「何らかの理由により協同組合すべてが遂行できなくなった場合については、環境部の直営の職員で対応する。」と環境部の答弁があり、副市長も「直営の人数がおりますので、その人数をもってフォローしていきたい。」とのことでした。例えば、地震などの大規模な災害が起こった場合、人命救助やライフラインの確保がまず最優先ですが、その後、大量に発生する「ごみ」の処理が必ず問題となります。現在、民間事業者に家庭ごみ定期収集が委託され、69班の体制で行っています。大規模な災害により家庭ごみ収集をおこなっているすべての委託業者が業務遂行ができなくなった場合、単純にすべてを市直営でフォローしたとして、現状、市直営の体制は全部で49班ですから、家庭ごみ定期収集の69班体制をカバーするには、20班不足であります。当然、人員をすべてこれらに配置できるわけではありません。震災などの大規模な災害では、初動期、応急対応期、復旧・復興期と、その状況により環境部としての必要な対応が求められます。そのことを考えると現状の体制が、「ごみ」の処理を出来る限り早期に処理をしていく体制と言えるのでしょうか。

◆市長の「平成30年度 市政運営方針」では
市長は、先日の「市政運営方針」で、「安全で住みよいまちづくり」として、「昨年、九州北部豪雨をはじめとする自然災害が発生し、本市では、7月に記録的短時間大雨情報が発表され、床上浸水を含む被害が発生しました。10月には台風21号に伴う大雨により阪奈道路でがけ崩れが発生し、東部地域で避難指示を発令するなど自然の脅威を再確認した1年でありました。また、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が最大80%に引き上げられるなど、災害発生リスクが高まっており、引き続き災害につよいまちづくりに向けた取り組みを進めてまいります。」と述べておられます。であるならば、ごみ収集業務を担う環境部が、災害等や緊急時も含め、そのための対応を体制の上で担保するためにも、家庭ごみ定期収集業務での市直営体制の確保が一定必要ではないでしょうか。

3、最後に
最後に、熊本地震における災害支援で本市 環境部も派遣をされていますが、熊本地震における災害時でのごみ収集体制がどうであったのかなど教訓にすべきことを汲み取り、本市の災害・危機管理体制などに活かすことが必要であることも改めて指摘しておきます。