市議団ニュース
2018年04月07日(土)  [市議団ニュース]

東大阪市議会 平成29年 第3回定例会(3月の本会議 質問②)

3/15(木) 日本共産党 市田 市議の「本会議 個人質問」要旨
◆ひきこもり対策 ◆介護保険料の引き下げと減免制度の拡充を ◆子どもの貧困対策 ◆小中一貫教育の問題

1、「ひきこもり対策」― 深刻な「8050問題」
今、ひきこもりの長期化、高年齢化が社会問題となり、80代の親と50代の子の世帯が誰にも相談できずに社会から孤立してしまう状況となる「8050問題」が深刻です。2016年に内閣府は、ひきこもりの数は全国で約54万人と公表していますが、この数は15~39歳が対象で、40歳以上の人の数は把握されていない。ひきこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、ひきこもりの長期化とその予防について、当事者の来談・受診をできるだけ早く実現することが重要であるとし、支援機関に必要な視点が示されている。その支援を保障するのが自治体の役割である。
本市の実態に合った支援策を構築するために、実態調査を行う必要がある。
訪問型支援の必要性や重要性について市の見解はどうか、誰が責任をもっておこなうべきだと考えているか。
本市のひきこもり支援が、現時点では一貫した包括的な実施には至っていない現状をどう認識しているのか。また、一貫した包括的な支援を行うために横断的な体制づくりが必要。

【社会教育部長】
①実施されている自治体の調査方法を参考にしながら考える。
②訪問型支援は、効果的であると認識しており、今後、事業者を交え、そのあり方について考える。
③ひきこもり等子ども若者支援庁内連絡会議での協議が必要と考える。

本市では、ひきこもり等子ども若者支援事業が委託事業から補助金事業となり、金額が半減したことで、事業者では訪問型支援が実施できなくなっています。
⑤訪問型支援が行えなくなった事態を市としてどのように受け止めているのか。今後は誰がどのようにして訪問支援を行うのか。
訪問型支援を市として事業者に依頼し再開できるよう、ひきこもり等子ども若者支援事業を委託事業に戻し、当面、金額も1,000万円に戻すことを求めます。

社会教育部長】
⑤⑥事業のあり方等については財源的な限界がありますが、訪問支援を含めどのような支援を行えるのか、事業者と検討します。

2、介護保険料引き下げと減免制度の拡充を
昨年にわが党議員団が行った市民アンケートでは、有効回答数の中で、介護保険料等の軽減を求める回答が658件57.2%を占めました。2017年12月の民生保健委員会でわが党の塩田議員の質問に対し「所得区分での保険料の検討や基金の繰り入れによる保険料の引き下げを検討する」旨の答弁がされ、2016年度決算委員会の中でも、基金や黒字分を使って負担軽減の検討を求めるわが党の質問に、「負担軽減できるよう検討する」旨の答弁がされています。
介護保険料は、改訂毎に値上がりし、第1期の標準額は月額3,338円、第7期の案では6,594円と約2倍になり、第6期と比較しても年間9,185円の値上げ。第7期の案では、所得区分段階を増やし上限を上げることによって所得が低い段階の上昇幅をなるべく抑えるなどの対応がされたと仄聞していますが、それでも、極めて重い負担が市民にのしかかるものとなっています。
低所得層の多い街の行政としてどのように負担軽減をはかろうとしているのか。
必要なサービスを費用の心配なく受けられるよう、利用料の減免を行うことが必要。

【福祉部長】
①第7期介護保険事業計画では現在14段階の所得段階を負担能力に応じた18段階にし、介護保険給付費準備基金を取り崩すことにより、低所得者への配慮を行います。それでも負担が困難な方には減免の制度が必要と考えており、今回拡充を検討しています。
②現在、市独自の利用料減免制度は実施していません。サービス利用料が負担となっている低所得の方がおられることについて認識は持っていますが、現在のところ困難であると考えています。

3、「子どもの貧困」対策の推進を
厚生労働省が2016年6月末に公表した国民生活基礎調査で子どもの貧困率は13.9%へ低下したものの、約7人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回ったまま。一人親世帯の貧困率は50.8%と主要国では最悪の水準。貧困を示す国際的な指標である「相対的貧困率」は下がったとはいえ、17歳以下の子どもで13.9%(前回16.3%)、全体では15.6%(前回16.1%)という結果。とりわけ母子家庭など一人親世帯の状況は過酷です。貧困率は50.8%(前回54.6%)で、高水準であることは変わりません。
わが党は本市の子どもたちがおかれている状況の問題について指摘し、実態調査や支援策の構築など繰り返し求めてきた。ようやく、子どもの生活実態調査が実施され、支援計画などが具体化されるスタート地点に立ちました。
本市が行った子どもの生活実態調査の結果からどのような特徴が見えてきたのか。
2018年度当初予算で示された子どもの貧困対策推進事業、この費用をどのように活用し、どんな体制で実施するのか、恒常的な取り組みをどうすすめるのか。

民間サイドでの子ども食堂や学習支援など居場所づくりが広がってきている。市として実態を把握し、支援ネットワークを構築することが求められる、いつからどのようにして行うのか。

本市で子どもの育ちを支えるための条例をつくるよう求めます。

【子どもすこやか部長】
①相対的貧困にある世帯において、親の就労状況で正規雇用の割合が低い、ひとり親世帯の割合が高い、放課後をひとりや兄弟で過ごしている子どもの割合が高い、相談相手や相談先として公的機関や市への相談ニーズがある、子どもの居場所の利用意向が高いなどが見えてきた。府下の他の自治体が行った調査の結果と比較して、本市の所得状況が低いことも分かった。
②小学生を対象に学習習慣の定着を目指す学習支援事業の実施を市が委託契約した事業者から講師を派遣する形で。一定の条件のもと、子ども食堂を運営する団体等に対し、事業に要する費用の一部を補助する子ども食堂支援事業の実施を検討している。
③広報紙やウエッブサイトなどを活用し、子ども食堂を実施している民間団体の情報収集に努める。
④子どもの育ちを支えるための条例については今後、施策を推進する中で、改めて検討する。

厚労省は地方自治体が独自に医療費助成をすると、国保の公費が減額される措置いわゆるペナルティについて30年度から未就学児への医療費助成は対象から外すとした。見直しにより生じた財源について、少子化対策の拡充に当てることを求めるものとすることを『日本一億総活躍プラン に基づく子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置に関する結果について』で通知している。
それによると、本市の影響額は約2,400万円と試算されており、これを「就学援助」の認定基準を引き上げに活用してはどうか。
私は、繰り返し、入学前支給の早期実施をもとめてきました。昨年3月の文教委員会では、学事システムの改正・構築を行い、2019年入学から実施する方向であるとのことでした。2019年4月の入学者からの実施についてお聞かせ下さい。

【学校教育部長】
⑤本市を取り巻く経済状況、財政状況を勘案し検討していきたいと考えています。
⑥現在、当該年度の7月に支給しておりますが、平成31年4月新入学者から入学前の平成30年度中に支給できるよう取り組みを進めています。

4、十分な検討がされていない「小中一貫教育」問題
わが党は、市教委が示す「中1ギャップの解消」「確かな学力の定着」「グローカルな人材の育成」がなぜ小中一貫教育でなければできないのかを問うてきました。 また、これまで行ってきた学力向上の取り組みや2期制についての総括を行い、課題を明確化して、本当に小中一貫教育が子ども達にとって必要なことなのかを十分に検討し議論を重ねるべきと指摘してきました。
教育の現場では、クラス担任が1月から不在のままで年度末をむかえるクラスがあり、授業は何人かの教員で分担し、支援学級の教員も担当しその間は支援学級の体制が不十分になる状況になっていると聞いています。また、平成27年度中に講師配置が一ヶ月以上遅れたケースが小学校で23件中学校で7件発生しており、その間は少人数分割授業を行うことができない状況となっています。こうしたことを放置したまま、新しいことをすすめれば、現場は混乱し子ども達がその犠牲になりかねません。今、教育現場に求められているのは、現場で起きている教員が確保されていないことで起きている問題を解決するために教員の確保を行うことや、少人数学級などの教育環境の保障でないでしょうか。
なぜ全校区一斉に、これだけ急いで小中一貫教育を実施しなければならないのか。
現場の実情に合わせて自由に取り組めるよう、回数の指定・設定を行わないことを求めます。
早急に誰もが参加できる説明会を行い、希望があればそれぞれの学校園に担当者が出向いて説明を行うべきだと考えますが、何か計画などあるのか。

【教育次長】
①本市の教育上における課題や問題点の解決を進めることは、特定の学校だけでなく全ての学校に共通することです。近年、SNSの急速な発達普及などの環境の急激な変化や子どもたちの成長のピークの早期化なども相まって、全国的にも特に小学校での問題行動の発生件数の増加など新たな課題も発出し、大きな課題の一つとして早急な対応が迫られている中、平成28年4月の学校教育法改正も現行の義務教育の在り方について再考の時期に来ていることを示唆しているものと受け止め、これまで以上のより効果的手法として、小中一貫教育を推進することになった。

②来年度のプレ実施において取組みを進めるためには、一定の目標設定は必要と考えている。プレ実施の結果により、既存の目標値も現実的な回数などに柔軟に対応していくために、来年度も各中学校区との協議も進めていく。
③この間、市PTA協議会の役員の方々への説明会を行ってきたが、各中学校区の実情を把握し、取り組みを進めるためには一義的には各中学校区より地域や保護者の方々への説明と意見の交流を行うものと考えている。市政だよりやリーフレト等を活用し周知するとともに、各中学校区を通じて、地域や保護者の方々への周知にも努める。